鹿児島県南九州市立知覧中学校2年だった男子生徒が3月に自殺し、この生徒へのいじめがあったことをうかがわせるような兆候などが浮かび上がっている問題で、市教委が「いじめがあったとは確認できなかった」と結論づける最終報告書をまとめていたことがわかりました。


 報告書は学校・教育委員会関係者で作る内部調査委員会がまとめ、弁護士や大学教授など第三者による外部調査委員会が報告を精査・検証したということです。
 最終報告書は7月21日にも発表することになっていて、遺族には事前に内容を通知されたということです。『読売新聞』(web版)2010年7月20日配信記事『中2自殺「いじめ確認できず」、南九州市教委が報告書』が、遺族への取材も加味しながら記事をまとめています。
 記事によると、いじめがあったという証言については「その証言の裏付けとなるような証言がなかった」などとして、いじめは確認できないと結論づけている様子です。
 当ブログでは以前、市教委が事件調査委員会を設置するという記事が報じられた際、以下のように指摘しました。
当ブログ2010/6/9『南九州市中学生自殺事件:市教委が外部調査委員会設置へ』
 一般的にいえば調査自体は否定できませんが、完全な第三者の調査委員会でないところが少し気がかりです。
 これまでの類似事件の展開から、「内部調査委員会が学校・市教委に都合のよい結論を出し、外部調査委員会が追認」という最悪のシナリオも想定してしまいます。

 こんな予想が的中してもうれしくも何ともないのですが、予想が最悪の形で当たってしまいました。
 これでは、生徒の名誉を傷つけ、遺族に二次被害を与えるような形になってしまうのではないかといえます。
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