秋田県藤里町教育委員会は1月21日、全国学力テストについて「現時点では参加するが、県が市町村別の成績を公表する場合は参加を撤回する」という方針を最終決定しました。


 寺田典城秋田県知事が市町村別成績を公表したことを重くみた藤里町教委は1月上旬、「市町村別結果が公表されるなら不参加」とする方針を決めていました。方針転換とみる向きもあるかもしれませんが、1月上旬の決定にしても今回の決定にしても「市町村別結果が公表されるなら不参加」という藤里町の対応の根底にあるものは変わっていないと受け取れます。
 秋田県内の自治体では、1月21日までに藤里町を含む22自治体が全国学力テストへの参加方針を決めています。ほかの自治体でも参加にあたって「市町村別の成績公表は県がおこなうのではなく市町村教委の判断にゆだねるという、秋田県教委の実施要項を遵守することを求める」という条件を付ける自治体が目立つということです。
 そもそも市町村別成績を公表するのはあまり意味がありません。また都道府県別の成績公表でも実際に、単なる統計上の誤差に過ぎない平均点の差を過剰に絶対視し、順位や序列化を付けたがる傾向が生まれています。市町村別成績の公表では、そういった傾向がさらに市町村単位で進んでいくことは目に見えています。
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