兵庫県教育委員会は1月24日までに、教員の対児童・生徒暴行(いわゆる「体罰」)について、事件のあった学校名などを公開するよう求めた兵庫県情報公開審査会の答申に従わず非開示にする方針を決めました。


この問題は、馬場健一・神戸大学法学部教授が「体罰」に関する情報公開請求をおこなったが非公開措置にされたとして訴訟になるなどしていた問題が発端になっています。兵庫県情報公開審査会の答申では、学校名や校長名・教員の担当クラス名などを公開するよう答申しています。
兵庫県教委の担当者は非公開の理由について、「加害教員の特定などにつながる。プライバシー保護の利益を害する」などとしているということです。
しかし、そもそも「体罰」は教師としての職務を悪用しておこなわれた違法行為です。私生活を暴露しているわけではないのでプライバシーなどは当てはまりません。
また「体罰」の加害教師は「自分の行為は正しかった」とする傾向があり、教育委員会もそういう主張を無条件に受け入れる傾向があります。「正しい」教育実践なら、知られたところで「自分たちの教育実践が世間に紹介された」と喜ぶのなら話はわかります。しかし「正しい」実践が知られたら都合が悪いというのは説明の付かない矛盾です。
「体罰」事件の再発防止や教訓化などのためにも、「体罰」の加害教員や事件発生学校名は原則として実名を公開すべきです。
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