福岡市立内浜中学校(福岡市西区)の生徒が担任教諭からの「体罰」を苦にして自殺したとみられる問題で、「体罰」と自殺との因果関係について学校は「ないとはいいきれない」とする見解を示しています。一方で福岡市教委は「因果関係はない」と完全否定する見解を出しています。


 校長は1月29日の記者会見で、担任教諭が「自分の指導も何らかの関係があったのではと認めている」とした上で、いずれは担任教諭自身に公の場で見解を話させたいという意向を示しました。
 一方で福岡市教育委員会の対応は、指摘された「体罰」については「指導の範囲内」などと位置づけて正当化した上で、「学校の指導や友人関係が今回の転落事故につながったとは考えにくい」と言い切っています。
 今回の事件に関する学校側の見解については、「普通に考えれば関係があるとみなすのが自然」という個人的な良心から来ているのか、それとも単に「隠しきれない」と判断したのか、真意は不明です。しかし福岡市教委の強硬な態度からは、市の上層部が校長に圧力をかけ、校長の発言や態度が後退させられる危険性は極めて高いという強い危惧があります。
 学校側の対応は現状でも決して十分とはいえませんが、さらに後退することになるのでは今以上に不十分な状況になります。真相解明のためにも、もっと踏み込んだ検証をおこなっていくことが必要です。
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