大阪府教育委員会は1月30日、大阪府立高校に「進学指導特色校」10校を2011年度に開設する構想について、「進学指導特色校」に各校あたり4学級ずつ、進学指導に特化した専門学科「文理科(仮称)」を設置する構想を明らかにしました。


 この手の「改革」は橋下徹知事が同種の主張をおこなっていたこともあり、知事の意向が働いているとみられます。しかし進路指導を「有名大学・難関大学とみなされている大学への合格者数・進学者数」や受験指導だけに矮小化するのは、低レベルで俗物的な発想です。しかも受験指導に特化した専門学科など、もはや論外だといわざるを得ません。「受験エリート校」などを作って何の意味があるのでしょうか。
 生徒の全面的な発達を図るのが高校教育の役割であり、進学指導についてもその立場からあたらなければなりません。進路指導を狭い意味での受験勉強や進学者数に矮小化することは、結果的に生徒一人一人の自己実現を軽視し、数字でしかものを見ない風潮を強めていくことにつながります。こういう「改革」は歓迎できません。
(参考)
進学指導特色校に文理科…大阪府立(読売新聞 2009/1/31)
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