『産経新聞』2009年2月22日付に『【主張】子供の権利 わがまま許す条例は疑問』なる記事があります。


 子どもの権利に関する条例が制定される動きが各地で進んでいることに対して、この記事では否定的・敵対的な論調で掲載されています。
 記事の出だしは以下の一文で始まっています。
 家庭のしつけや学校の指導を難しくするような条例づくりが全国に広がっている。広島市でも子供の権利条例の制定作業を進めている。こうした条例は権利をはき違えたり、わがままを許す風潮を助長している。慎重に検討すべきである。

 子どもの権利を「家庭のしつけや学校の指導を難しくする」「権利をはき違えたり、わがままを許す風潮を助長している」などと攻撃しています。
 さらに「子どもの権利条約」で定められている意見表明権を「特定の政治的狙い」などとして敵視し、制服導入反対を訴えた高校生や卒業式・入学式での「日の丸・君が代」強要反対の動きもあたかも「権利の乱用」かのように描いて敵視しています。
 しかし子どもの権利条例によって「家庭のしつけや学校の指導を難しくする」などという根拠は、各地で検討されている条例のどこをみてもありません。各地の条例案は「現行法を踏まえ、現行法の精神を改めて宣言している」だけで、特に罰則などもないというものがほとんどです。
 子どもの権利条約や各地の権利条例、そして意見表明権が都合が悪いという勢力は、まともに教育をする力を持たない・子どもに対して語る力を持たないから暴力や強制を「教育」と自称してそれに頼らざるを得ないのではないかとすら感じます。
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