東京都立高校の2008年3月の卒業式で、全都立高校201校のうち少なくとも72校で、管理職用の卒業式進行表に「『君が代』不起立の生徒には繰り返し起立を求める」という意味の文言が掲載されていたことがわかりました。


 「しんぶん赤旗」2009年2月26日付『「君が代」強制 都立高72校 起立指導明記 思想・信条の自由どこへ』によると、以下のような内容だということです。
 ほとんどは「着席してしまう生徒がいたら司会が再度起立を促す」「着席する生徒がいる場合、管理職が当該生徒を指導する」などと、不起立の生徒に繰り返し起立を求めることを定めていました。中には「不起立の生徒がいる場合は進行係、他の教員、管理職が起立させる」と事実上、起立を強要する内容のものもありました。

 卒業式は生徒自身のためにあるものです。卒業式は学習指導要領の上では特別活動に分類されますが、特別活動の運営については生徒の自主性を尊重する旨が明記されています。
 起立を強要することは生徒の自主性をないがしろにするものであり、また生徒の思想信条・良心の自由を侵害するものです。不起立で卒業式の進行に影響があるわけでもなく、「起立したい人は起立すればよいし、したくない人はしなければよい」というのが当然です。
 各校で生徒への起立強要が進んでいる背景には、生徒に起立を強要する通達を東京都教育委員会が出したこと(2006年)にあります。このような通達は日本国憲法や国旗・国歌法、また学習指導要領の立場とも決して相容れないものです。
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