少年野球チームでの暴行事件が相次いで発覚しています。

プロ野球阪神タイガース・赤星憲広選手が理事長を務める硬式少年野球チーム「レッドスターベースボールクラブ」(兵庫県芦屋市)に所属していた当時中学3年生の元選手が、「総監督から暴行を受けた上、進学を希望していた高校に対して総監督が勝手に進学を断るなどした」として、S個人と運営NPO法人・赤星選手を相手取り、2008年10月に訴訟を起こしていたことがわかりました。赤星選手はチームの監督責任を問われた形になっています。総監督は暴行を一部認めていますが「指導」とし、また進学問題については「高校側の成績基準を満たしていなかった」と反論しています。

また滋賀県近江八幡市では2009年5月3日、スポーツ少年団の野球部で「試合結果が思わしくなかった」として、監督が部員の小学校5年生男児をバットで殴り、右腕骨折のけがを負わせていたことも発覚しています。スポーツ少年団事務局は該当の監督を活動停止2年の処分にしたということです。

両事件とも「指導」と称して暴行を加えた(と加害者側が主張している)ことは共通しています。

前者の「レッドスターベースボールクラブ」の事件については、進学問題や赤星選手の監督責任などがどう判断されるのかは、現状では何とも言えません。しかし少なくとも総監督が原告の元選手に暴行を加えたということは、総監督自身も認めています。
また滋賀県のスポーツ少年団の事件でも、暴行を加えて大けがをさせたという事実は否定できず、「殴ること自体が許されない」などとして運営事務局が該当の指導者への処分をおこなっています。
「指導」と称して暴行を加える、また暴行を加えても「指導」の名のもとに正当化しようとする、こういうことは本来許されることではありません。しかし子どもを対象とする組織や活動などでは、学校や任意団体などの別にかかわらず、こういう誤った主張がいまだにはびこり、指導者の暴力が繰り返されています。
新聞報道されるものは氷山の一角にすぎませんが、新聞報道だけでも1週間に1~2件はこの手の事件が報じられています。こういう現状は異常だといえます。
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