長崎原爆の爆心地から約500メートルの場所にあり、被爆後も補修されて使用され続けてきた旧鎮西学院中学校の校舎(現在は活水中学校・高等学校が使用)について、取り壊しが具体化していると各紙で報じられています。

 旧鎮西学院中学校の被爆校舎は現在でも活水中学校・高校の理科実験室などとして使用されています。しかし耐震基準を満たしていないことや老朽化により、新校舎建設のために早ければ2011年度にも取り壊す予定だということです。

 活水中学校・高等学校を運営する学校法人活水学院は、学校敷地が狭いことや費用面などからすべてを残すのは難しいと判断し、跡地の一部にメモリアルホールなどを造ることを検討しているとしています。

 学校の教育活動という観点からみれば、耐震基準の問題や校舎老朽化は重大な問題です。一方で、この校舎は被爆校舎という特別な事情があります。歴史を後世に伝える重要な建造物という観点からは、何らかの形で残せないかとも感じます。

 この問題は今後、どのような経過をたどっていくのでしょうか。

(参考)
◎老朽化、取り壊し…=消えゆく被爆遺構-爆心地近くの校舎・長崎(時事通信 2009/8/8)
◎2011年にも被爆校舎取り壊しへ 旧鎮西学院中で現活水中・高(長崎新聞 2009/8/8)
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