文部科学省は11月5日、2010年度から使用する中学校・高校教科書の採択状況を発表しました。


 中学校社会科歴史的分野・公民的分野とも、「つくる会」教科書の採択率・採択冊数ともに増加していることが気になります。
 中学校社会科歴史的分野では扶桑社版が採択率約0.6%(前回2005年は0.4%)、自由社版が採択率約1.1%(2005年は未発行)で、あわせて採択率は約1.7%です。使用冊数に直すと、両社版あわせて約2万1000人が「つくる会」教科書を使用することになります。
 横浜市のうち8採択区域(8行政区)で「つくる会」自由社版教科書が採択されたことが、「つくる会」教科書の採択率を押し上げた形になりました。
 一方で中学校社会科公民的分野では、扶桑社版が採択率0.4%(前回2005年は0.2%)となっています。自由社版公民教科書は未発行です。
 「つくる会」教科書が採択された地域では、現場からは「つくる会」教科書への評価が低かったにもかかわらず現場からの意見を無視して採択されるなど、「つくる会」教科書採択ありきの策動がおこなわれた例も目立っています。また教科書の中身についても、重大な疑問点が多く指摘されています。
 採択が増加する傾向は、警戒すべきだといえます。
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