文部科学省が全国一斉に実施する「全国体力・運動能力・運動習慣等調査」(全国体力テスト)について、愛知県犬山市教育委員会は6月24日、正式に不参加を決定しました。


 「万が一成績の情報開示請求がされた場合、小規模校では個人成績が特定しやすくなる」ということを不参加の大きな理由としています。
 全国体力テストは、すでに実施されている全国学力テストと同じく、全員参加にする意義は全く見当たりません。行政として全体的な傾向を知りたければ抽出調査で十分ですし、個人の能力を把握する目的ならば学校内での体力テスト実施で十分です。
 逆に全員参加によって、個人を全く無視して平均点にだけ目を向けられ「平均点を上げることだけが自己目的化したゆがみ・不正工作」が横行するというのは、すでに全国学力テストで明らかになっていることです。全国体力テストでも、学校別や地域別の平均値を上げるための不正行為・不正競争が行われる危険性が高いといえます。
 また、1学年1人ならば学校平均値イコール個人成績となることが典型的な例ですが、小規模校では個人成績を特定しやすくなります。個人情報という観点からも、全国体力テストの問題点を考慮しなければなりません。
 不参加の決断は正解だと考えられます。
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