全国学力テストの成績開示について、鳥取県教育委員会は10月30日、情報公開条例を改正した上で市町村別結果の開示をおこなう方針を固めました。一方で学校別結果については情報公開請求者が「特定の学校または学級を識別できる方法」で公表しないという制限を課すということです。


 しかしそもそも、全国学力テストの市町村別平均点など、知っても意味のない数値です。また開示すること自体が過度の競争と序列化を生み出すものであることは、都道府県別結果公表だけでも「平均点の上下でしかものを見ない」傾向が生まれていることだけでも明らかです。だいたい、平均点と個人の到達状況との相関関係は薄いものですし、そもそも1回の学力テストを「学力のすべて」かのように位置づけること自体が愚劣きわまりないものです。
 また学校別結果の公表はできないという制限を課しても、学校名は伏せながらも事実上特定可能なヒントを付けて公表する「抜け穴」を考えるものが出ることも十分考えられます。
 成績開示には、強い危惧を感じます。
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