千葉県松戸市立中学校2年の男子生徒が、同級生への集団暴行に加わった直後の2月1日に自殺した問題は、背景にいじめの多重構造があることが推測されます。

 報道されている範囲は限られているので事実関係は断片的ですが、それでも以下の内容が報じられています。
(1)自殺した生徒Aくんは、同級生グループと一緒に別のBくんに暴行。
(2)Bくんは継続的にいじめられていたが、暴行事件前まではAくんはBくんへのいじめにはかかわっていなかった。
(3)Aくんもまた、所属していた吹奏楽部で継続的ないじめの被害に遭っていた。
(4)Bくんへの集団暴行は、吹奏楽部グループが主導していた。

 これらのことから、「Aくん・Bくんへの両方のいじめの一環として、加害者グループがAくんに対して、Bくんへの暴行に加担するよう強要した」という可能性も考えられます。

 暴行被害者のBくんの側は、逆にAくんを気遣うような態度をとっていたということも報じられています。

 なんともつらく悲しい事件であり、事実関係を詳細に解明することが強く求められます。

 また、いじめ加害者を厳罰化するということもいわれていますが、このようなケースの場合、単純な厳罰化ではどうしようもないのではないか、もっと多角的に対策を考えていかなければいけないのではないかという気がします。
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