「茨城県水戸市立中学校1年生だった2006年6月、同級生からの集団いじめ・集団暴行で睾丸破裂のけがを負って登校できなくなった。その上学校側から『診断書をとるな』などといじめ隠蔽工作を受けた」などとして、茨城県内の少年が加害者とその保護者・水戸市を相手取って損害賠償訴訟を提訴していたことが、3月7日付の『毎日新聞』で報じられました。加害者は児童相談所へ通告され、また被害者は結果的に転校したということです。


 集団いじめによってけがを負わせたという加害者の行為は、決してあってはならないことです。しかもいじめとそれに伴う負傷で登校できなくなった被害者に対し、学校側が「診断書は取らなくてよい」「2学期から元気に登校するように」と発言したというのは、耳を疑います。前者については「診断書がないからいじめはない」とでも主張するつもりで、いじめの隠蔽を図ったものだと受け止められます。またこの発言の上で「2学期から元気に登校するように」という発言をしたのは、前後関係からみれば「被害生徒が騒いでいるのが悪い」かのように主張していると受け取れます。学校の行為は、いじめ問題に対しては一番してはいけない対応です。学校側もいじめに加担している・いじめの二次被害を与えているといっても過言ではないでしょう。
 訴訟を通じていじめの事実関係が徹底的に明らかにされることを願います。またこの生徒個人の問題だけにとどまらず、この問題が社会的にも教訓化されていじめ対策が前進することを願います。
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