愛国心の涵養を教育目標に明記すること・教育委員会制度改革・教員免許更新制などの教育改革関連3法案が、4月17日に国会で審議入りしました。

 これらの法案については、審議前から大きな批判が寄せられていました。そもそもこのような法案が実際に実現してしまうと、教育の荒廃がさらに進むことは目に見えています。

 愛国心は内心の問題であり、涵養を目標にすることは、特定の心のモデルを前提にそれを押しつける方向になります。これでは内心の自由と矛盾します。

 また教育委員会制度改革については、地方分権に逆行して文部科学省の権限が強まることが危惧されています。

 教員免許更新制は教員の質の向上にはつながりません。「自己の身分への不安から事なかれ主義になったり、面倒なことになりそうな問題と判断すれば放置したりもみ消したりする」などという傾向が現在以上に強まり、良心的な教員を萎縮させる危険性があります。これでは有能な教員はつぶされて、教育現場の荒廃は目に見えています。

 近年の教育関連の法案や政策では、大きな問題点が指摘され「このまま突き進むと不都合なことが起こる」というのが目に見えているにもかかわらず、拙速に採決を急ぎ、その結果現場に矛盾が押しつけられているというケースが多発しています。教育基本法改悪や全国学力テストなどが、そういったケースに該当するといえます。

 問題点が浮き彫りになっているにもかかわらず、拙速に採決することは民主主義の原則からみても疑問です。今回の教育改革3法案についても、じっくりと審議して問題点をあぶり出したのちに廃案するように求めます。
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