4月に実施された全国学力テストをめぐり、広島県北広島町教育委員会が事前の模擬テストの内容を参考に、類題を集めた問題集を作成して町内の小中学校に配付し、問題集を活用するよう指導していたことがわかりました。

 先日発覚した広島県三原市の「テスト中に教頭が、受験中の児童に間違いに気付かせるような声かけをおこなった問題」に続き、やっぱりこのようなことが起こったかという印象です。また実際に、地域別の統一学力テストをおこなっている地域では、今回の件と類似のことが起こっています。

 全国学力テストが子どもたちの実態をありのままに把握するという建前から外れ、地域別・学校別の競争へと駆り立てる作用しか果たしていないことが、改めて浮き彫りになりました。全国的な統計調査を得たければ抽出調査で十分で、全員を対象にした全国学力テストにはこのような弊害が生まれることを、改めて物語っています。
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