次期学習指導要領の改定の方向性を検討している中央教育審議会は、道徳教育について教科化を見送り、現行の枠組みを維持する方針を固めたということです。


 道徳は個人の心の内面や価値観に属するものであり、社会や自然の客観的事象を基礎にした他教科とは性質が異なります。道徳を「評価」するのは、特定の到達度モデルを前提にしなければ評価は不可能で、結果的に特定の価値観を前提にその価値観にどれだけ達したかということを測らなければならないことになります。ということは、特定の価値観を教え込む・押しつけるという、前時代的な実践になってしまうことはいうまでもありません。
 一人一人の児童・生徒が自主的に価値観を判断する力を付けさせることこそが重要で、特定の価値観を押しつけるようなやり方はあってはなりません。教科化の見送りは当然だと思いますが、一方で将来的には再び教科化を目指す動きが活発化する恐れもあり、今後の動きを注視していかなければならないと感じます。
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