山形県立高畠高校で2006年11月に発生した女子生徒自殺事件で、自殺生徒がいじめをうかがわせるような遺書を残していたことが遺族から発表されたことを受けて、山形県教委は遺書内容の分析を心理学者に依頼することを決めました。


 一方で自殺した生徒の遺族は「権威のある人が何らかの理由をつければ、それで原因が決まってしまう。学校側は(いじめを)認めないというふうにしか思えない(父親の発言、『毎日新聞』2007/11/26『<高2自殺>県教委が遺書の分析を心理学者に依頼 山形』より)」と不満を表明しているということです。
 臨床心理学の方法として文章内容から心理状況を判定する方法もあるそうですが、一つの文章だけで心のすべてを読みとれるというような万能なものではありません。また県の依頼でもあり、県の意向を汲んだ分析が加えられる可能性もあります。父親が指摘するような方向性に流れてしまうという危険性もあります。
 遺書の内容の分析も重要でしょうが、自殺した生徒の心の内部の問題にするよりもむしろ、生徒を取り巻く外部環境こそが再検証されなければなりません。
(参考外部リンク)

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