入学式・卒業式での「君が代」不起立で懲戒処分を受けたのは不当として、東京都立学校の教職員50人が処分取り消しなどを求めた訴訟(第三次訴訟)で、東京地裁は1月16日、26人・31件の減給・停職処分について処分を取り消すよう命じる判決を出した。一方で戒告処分を受けた教職員については、取り消しを認めなかった。

 先だって提訴され、最高裁判決で確定した第一次・第二次訴訟での判断を踏襲する形になった。

 判決について原告側は、国家シンボルの強制自体の違憲性についても裁判で問うたものの、判決では形式的に触れただけで合憲と位置づけていると批判した。また原告教職員は「教職員の一人として『日の丸・君が代』を強制する側には回れない」として、控訴して全面勝訴を目指すとしている。

 減給・停職処分の撤回は喜ばしいものの、その一方で、「君が代」起立強制は合憲だが減給・停職処分は重すぎる、戒告なら許されるという中途半端な判断という側面もある。問題は強制そのものの違憲性であり、控訴審ではその点について踏み込む判決を求めたい。

(参考)
◎教員26人31件 処分取り消し 東京「君が代」第3次訴訟 25件は認めず(しんぶん赤旗 2015/1/17)
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