『大分合同新聞』や『毎日新聞』によると、ハトのふんの害に悩んでいた大分県竹田市の市立小学校で、学校側がハトを捕まえてそのままポリ袋に入れてゴミとして捨てていたことがわかったとして、一部の市民から批判が出ているということです。
ハト捕まえ“ゴミ”に 「児童の健康考え」 竹田市の小学校(『大分合同新聞』 2006/1/21)

 ハトのふん害に苦慮した竹田市内の小学校で、ハトを捕まえ、そのままごみとして捨てていたことが二十日、分かった。「教育現場で不適切ではないか」という批判も出ているが、学校側は「ふんによる児童の健康被害などを考え、やむを得ず判断した」と説明している。
 同校によると、一昨年の秋から昨年の春ごろにかけ、約十羽を網で捕まえ、そのままポリ袋に入れ、ほかのごみと一緒に燃えるごみとして収集日に出していた。同校周辺はハトが多く、当時は校舎のひさしなどに多い日で約五十羽が止まっており、ふんは数センチ積もることもあった。風が吹く日は乾燥したふんが教室内に舞い込むため、窓が開けられないこともあったという。
 同校は市教育委員会に対策を相談。校舎のハトが止まりやすい場所に突起物を設置するなどしたが、抜本的な解決策が見いだせなかったことから、教頭が児童のいない放課後や休日などにハトを捕まえていたという。
 事情を知った市民からは「生きたままポリ袋に入れるのは残酷」という声も出ている。
 教頭は「捕まえたハトをその場で殺すこともできず、袋に入れていた。嫌な気持ちだったが、どうしようもなかった」と心境を話した。校長は「動物愛護とふん害という矛盾する問題で苦慮した。動物愛護の面で考えると悪かったと思っているが、児童の健康のことを考えると…。難しい判断だった」と話している。
 鎌田哲夫市教育長は「ふん害を防ごうという熱心さの余りのことだと思う。学校現場でという問題はあるが、ほかの学校もハトのふんには悩んでおり、市教委としても苦慮している」と話している。


 学校側の対応は「専門家に依頼して対応してもらった方がよかったのでは」という点はあるものの、全体としては問題行動・不適切行動として批判されるべき性質のものとは思えません。

 ふんが数センチ積もったり、教室にふんが舞い込んだりすることを考慮すれば、もはや「学校の教育活動に影響を与える」「児童や教職員の健康も危惧される」レベルのものになってしまっています。たまたま学校に住み着いたハトを虐待した、というのとは、もはやわけが違います。

 ハトのふんが病原菌を媒介するなどといったことが指摘されていることから考慮しても、大量のハトのふんで悩まされるような状況では、ネズミやゴキブリ・シロアリなどへの対応と似たものにならざるを得ないでしょう。ただ、相手がハトなだけに、抵抗の気持ちがあるということ自体はそうなのですが、やむを得ないことなのかもしれません。
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