2018年は中学校道徳教科書の初めての採択年にあたる。現在教科書検定の作業中で、2018年3月にも結果が公表される見通しとなっている。

 中学校道徳教科書について、「子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会」が気になる情報を出している。

 同会のブログ2018年1月8日付『中学校道徳採択にヘイト本出版社が参入か?!日本教科書株式会社がHPを開設』。

http://blog.goo.ne.jp/text2018/e/5f67b3503dadf1f256b4d376afbc8af5

 ブログでの情報によると、「日本教科書株式会社」なる会社が立ち上がり、ウェブサイトが公開されていると紹介されている。

[caption id="attachment_11667" align="aligncenter" width="300"]日本教科書 日本教科書株式会社ウェブサイト(キャプチャ)[/caption]

 当該サイトを見ると、「道徳専門の教科書会社」と銘打ち、「文部科学省検定教科書の発行及び供給」を目的とした会社だという。

 当該出版社は、これまで教科書を発行したことはない。調べてみると、当該会社は2016年に法人登録されたという情報が見つかった。

 当該教科書会社のサイトを見る限りでは、一見すると差し障りのないことを書いているようにも見受けられる。

 「教科書大阪の会」のブログでは、周辺状況を総合的に判断し、以下のような内容を指摘している。

  • 中学校道徳教科書には8社が参入したと報じられている。うち7社は小学校道徳教科書発行社とみられている。

  • 「日本教科書」は、中学校道徳教科書への参入を示唆している。ということは、8社のうちの残る1社が、小学校道徳教科書に参入しなかった育鵬社である可能性は低いのでは?

  • 「日本教科書」は、嫌韓本やヘイト本を多数発行している「晋遊舎」のビルの中に入り、「日本教科書」代表は「晋遊舎」会長と同一人物。両社は強い関係があるとみられる。





 確かに、「日本教科書」と「晋遊舎」のサイトの会社概要を見比べると、2社は住所が一致し、日本教科書代表と晋遊舎会長は同じ人物となっている。晋遊舎はパソコンや家電・生活雑貨・パズルなどに関する書籍・雑誌を発行する一方で、ヘイト本とされるような内容も広く手がけている。

 「日本教科書」が今回の中学校教科書検定に参入したかどうか、また参入した場合はどのような内容になっているのかは、教科書検定の結果が公表されてからではないとわからない部分はある。

 その一方で、同社が今回の検定に参入していたとしても、今回は見送って次回以降の検定に向けて準備を図っているとしても、ヘイト勢力とつながっている可能性のある出版社から道徳教科書が出るという事態も考えられることになる。

 あらゆる状況を想定して情報収集し、必要な対応を検討していく必要があるのではないか。
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