森友学園問題について、籠池泰典前理事長が国側との国有地取得交渉に際して、首相夫人の安倍昭恵氏の名前を出して交渉をおこなっていたことがわかった。

2月1日の参議院予算委員会で辰巳孝太郎参議院議員(日本共産党)が質問をおこない、直後の昼休みに記者会見を開いて音声データの存在を公表した。

https://www.youtube.com/watch?v=w53In63j-R8&feature=youtu.be

 森友学園が取得した国有地からゴミが見つかったとして、籠池氏らは2016年3月15日に財務省を訪問し、理財局の幹部に早期対応を求めた。

 翌2016年3月16日には大阪に戻り、近畿財務局や大阪航空局の担当者と協議した。録音された音声は3月16日のやりとりだという。

 籠池氏は「きのうわれわれが財務省から出たとたんに安倍夫人から電話がありまして、『どうなりました?頑張ってください』って言っていたけど、なんと答えたらええのかわからへんわ、どうしよう。そちらの案は?」と発言したという。

 この録音音声通りだとすれば、安倍昭恵氏は、籠池氏が財務省と交渉しているという事実を知っていたことになる。

 安倍首相は辰巳議員の質問に対して、「事前に質問通告を受けていない」などと繰り返し、回答を拒否した。

 また財務省は、当時財務省理財局の国有財産審理室長だった田村嘉啓氏が、首相夫人付の政府職員から紹介を受けた際、「森友学園に関係しての照会であったことは認識していたと思う」とする見解を、宮本岳志衆議院議員(日本共産党)の問い合わせに対して文書回答していたことも明らかになった。

 ますます疑惑は深まったといえる。森友学園問題は、学園自身の特異な教育・経営方針、大阪府の不可解な態度とともに、国政に関する不可解な動きも指摘されている。ていねいな説明と事実解明が求められているといえるのではないか。
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