新入生より「アルマーニ」の標準服を採用することが報じられ話題になっている東京都中央区立泰明小学校で、登下校中の児童への嫌がらせが相次いでいるとして、区教委などが通学路に職員らを配置し、見守り体制を強化していることがわかった。

標準服導入の経緯



 「アルマーニ」標準服導入方針は2月8日にネットニュースで報じられ、その後新聞やテレビでも取り上げられた。最小限のセットのみでも現行の3倍前後の価格となり、洗い替えのシャツなども含めて購入すると9万円以上になることが指摘されている。

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 このことについては、公立小学校なのに家計負担を考えていないのではないか、特認校として中央区内全域から入学できることから家計が苦しい家庭の子どもを排除する「ブランド校」化をねらっているのではないかなど、否定的な見解も寄せられているという。

標準服問題は、そこに通学する子どもとは全く別の問題



 しかし報道によると、2月8日に「アルマーニ」標準服方針が報じられて以降、通学途中の児童への嫌がらせが相次いで報告されているという。

 ある児童は通学中に通行人から服をつままれ、「これがアルマーニの服か」などといわれたという。またほかにも、通学途中に「これが泰明小学校の子か」などといわれたケースが複数件あったとも報告されている。

 標準服導入の問題については、事実経過を考えれば、通学している児童に何らかの責を負わせるようなものではない。

 標準服問題への批判があっても、それを口実にして児童に嫌がらせをするなど、許されないことである。児童にとっては登下校中に「絡まれる」ような形になって、怖い思いや不快な思いをさせることになっている。

 児童に対する不適切行為を把握した中央区教委は、児童の登下校時に通学路に職員を派遣し、見守り体制をとっている。

 児童への嫌がらせの問題は、2月20日の中央区議会でも取り上げられた。共産党議員の質問に対し、区側は「学校と区教委で安全確保に努めたい。今後も嫌がらせが続く場合は、民間事業者・警備会社の力も借りることも検討する」と答弁した。

 子どもが安全に登校できる体制をとることは、標準服の話とは明確に区別すべきだし、児童の安全をしっかりと確保していく必要があるのではないか。

(参考)
◎アルマーニ採用で嫌がらせ 登下校中の児童が服つままれるなど(東京新聞 2018/2/21)
◎「嫌がらせ続けば警備依頼」…アルマーニ標準服(読売新聞 2018/2/21)
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