道徳専門の教科書会社と称して、道徳教科書への参入をほのめかしている「日本教科書株式会社」なる会社のウェブサイトの存在が指摘されている。

 「日本教科書」は今まで道徳教科書を発行したことはなく、実際に参入するのかの動向には不透明な点もある。

 「日本教科書」の所在地は、嫌韓本やヘイト本を発行している出版社「晋遊舎」と同じ場所にあり、「日本教科書」代表者名も晋遊舎会長と同一人物となっていることが指摘されている。

http://kyoukublog.wp.xdomain.jp/post-11666/

 さらに、気になる情報がインターネット上で指摘されている。

 「日本教科書」は設立時は別の場所で登記され、今の場所に移転しているという指摘である。

 法人情報のサイトによると、日本教科書株式会社は2016年5月10日、「東京都渋谷区渋谷2丁目5番12号」に設立されたとなっている。そして2017年5月8日、「東京都千代田区神田神保町1丁目12番地」に移転したとされている。

https://www.houjin.info/detail/8011001110779/

 設立時の住所が、日本教育再生機構の所在地と一致するという指摘がされている。

 日本教育再生機構は、育鵬社の中学校社会科歴史的分野・公民的分野の教科書執筆陣の母体である。また2017年に採択され2018年度より使用予定の小学校道徳教科書では、日本教育再生機構系列の執筆陣が教育出版の教科書に携わったと指摘されている。

 日本教育再生機構のウェブサイトは、2018年2月時点では閲覧不能になっている。しかしウェブキャッシュなどで調べてみると、2017年時点の日本教育再生機構の所在地は「東京都渋谷区渋谷2-5-12 青山アジアマンション103」とされている。

http://archive.is/6fK8z

 確かに、日本教育再生機構と、設立時の「日本教科書」の住所は一致することになる。

 現時点では、背後関係などは断定できる段階にない。とはいえども、日本教科書株式会社と日本教育再生機構の住所が一致していた時期があるというのは、客観的な情報として重要な意味を持ってくることになるのかもしれないと感じる。
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