吉村洋文大阪市長が2018年3月12日、保育所の待機児童の問題について、以下のような発言をツイッターでおこなっている。




 待機児童解消の問題については、実効ある対策が求められていることはいうまでもない。

 吉村市長はツイッターで、「国の規制」「保育士配置基準」について批判している。

維新は保育分野で何をしてきたか



 しかし吉村市政、またその前の橋下市政と、維新市政のもとで大阪市は何をしてきたのか。

 国の最低基準すら下回るような保育条件にしているのが実態である。さらに保育条件を低下しようとしているのか。

 厚生労働省は2016年に省令を改正し、保育士配置基準を緩和した。それを受けた大阪市は同年、省令に沿った内容での条例改正を実施している。

 その際に維新市議は市会で「保育士資格を持っていない子育て経験者を登用することも検討すべき」という趣旨を発言している。

 また大阪市では、保育面積基準について、国よりも手厚い基準での保育をおこなっていたが、橋下市政のもとでの2012年に、基準を国基準以下に引き下げている。

 さらに吉村市長は、松井一郎大阪府知事とともに、現行の基準よりもよりゆるい基準で保育ができるようにする「保育特区」を国に要望している。

 これらのことを考えれば、吉村市長のいうところの「国の規制」「保育士配置基準」は、現行基準よりもさらに下げるようにできることを自治体の裁量で自由にできるようにするということになるのは、容易に想像が付くのではないか。

保育所の問題をどうとらえるか



 保育所の問題は、待機児童数の減少・解消はもちろん重要である。しかし、待機児童の数字を減らせばそれでよいという単純なものではない。子どもの生活・発達の場としてのよりよい環境整備、保育士の勤務条件の向上なども含めた多面的な角度で、総合的に取り組んでいかなければならない。

 待機児童の数字を減らしたというだけが目的で、保育の質は後回し・低下させるというような維新の対応には、強い疑問を感じる。
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