東京都葛飾区立中学校3年の男子生徒が2014年に自殺し、背景に部活動でのいじめが指摘された問題で、区が設置した第三者委員会は3月28日、生徒への行為を認めながらも「社会通念上のいじめではない」としていじめを認めないとする報告書をまとめた。

事件の経過



 生徒は2014年4月に自殺した。自殺当日、所属していた部活動で、複数の生徒から霧吹きで水をかけられたり、ズボンを脱がされそうになるなどの行為があった。

 報告書では、生徒が受けた行為はいじめ防止対策推進法で定義されているいじめに該当する可能性があるとしたものの、社会通念上のいじめには当たらない、「普段の遊びの域を超えないもの」とした。それらの行為と自殺との因果関係も否定した。

 遺族側は調査結果について「納得できない」と批判し、葛飾区と第三者委員会あてに再考を求める申し入れをおこなったという。

報告書への違和感



 この報告結果は、いじめを認定しないという結論が先にあり、それにあわせて無理な結論を導いているのではないかと感じる。

 いじめ防止対策推進法でのいじめの定義を無視し、社会通念上のいじめという曖昧な判断をもとに判断しているのではないか。これでは、いじめを軽く扱っていると批判されてもやむを得ない。

(参考)
◎中学生自殺“水かけズボン脱がそうとするも いじめにあたらず”(NHKニュース 2018/3/28)
◎葛飾中3自殺、いじめが原因とは認められず(TBSニュース 2018/3/28)
このエントリーをはてなブックマークに追加 編集