名古屋市立中学校で前川喜平・文部科学省前事務次官を外部講師として招聘した授業をおこなったことについて、問題視していると受け取れるような文面とともに文科省が名古屋市教委に「問い合わせ」をおこなった問題。

 名古屋市教委は問い合わせの意図を“逆質問”するような質問状を3月30日付で送付し、4月2日朝の記者会見で河村たかし名古屋市長が質問状送付の事実関係を発表していた。

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 記者会見の時点では文科省からの返答は届いていなかったが、4月2日夕方に文科省から名古屋市へ返答が届いた。

 文科省は「適切な教育的配慮の下で行われたか確認する必要があると考えた」「問題はない」と従来の見解を繰り返した。

再質問検討も



 一方で河村たかし名古屋市長は4月3日に報道陣の取材に応じ、「そりゃ納得できんですわ。いわゆる思想統制につながっていくような、そういう話だで、これ。一定の価値観を文科省が強制できる可能性があるということ、これは戦っていかないかんじゃないですか」と、文科省の回答に不満を示した。

 また国会議員の照会をきっかけに文科省が質問状を送付したことについて「国会で誰が作ったか明らかにしてもらいたい」と求め、国会審議の行方も見ながら再質問も検討しているとした。

疑問点は払拭されていない



 今回の問題は、政治介入の疑いが高いと指摘されている。

 前川氏本人も、自らの文科省時代の経験を踏まえ、「文科省がこういうことをするとは考えられない」「政治的介入があったのではないか」「文科省の後輩には同情する」とする見解を述べているという。

 今回の件は、池田佳隆衆議院議員・赤池誠章参議院議員の2国会議員の照会をきっかけに始まったとも指摘されている。この点についても解明していくべきではないか。

(参考)
◎文科省、名古屋市からの質問状に従来の主張繰り返す(TBS 2018/4/2)
◎名古屋・河村市長、文科省回答「納得できん」再質問意欲(朝日新聞 2018/4/3)
◎名古屋・河村市長「思想統制につながる」(TBS 2018/4/3)
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