純心女子高校(長崎市)に通っていた女子生徒が、担任だった教諭から発達障害を理由にした侮辱を受け、適応障害を発症したと訴えていることがわかった。

 生徒は2018年4月に退学・転校を余儀なくされたという。

 生徒と保護者は2018年4月25日付で、長崎法務局に人権救済申立をおこなった。

 また2018年4月26日付で、暴行・名誉毀損・侮辱の容疑で、教諭に対する告訴状を長崎県警浦上署に提出した。

事件の経過



 報道された内容によると、事件の概略は以下のようなものだという。

 女子生徒は発達障害を持っている。担任だった女性教諭(56)は2017年9月以降、この女子生徒に対して「障害者が来る学校ではない」「ほかの学校に行った方がいい」などと、障害者差別的と受け取れるような侮辱発言を繰り返しおこなったとされる。

 学校側が当該教諭に聴き取り調査をおこなったところ、学校生活に関して生徒とやりとりをおこない、「周囲のサポートを遮断するから学校生活も障害も改善されない」「あなたに合った学校を考えたらどうか」という発言をしたことについては認めた。教諭は発言について、生徒への共感や思いやりが欠けていたかもしれないという意味で、不適切な部分があったと言及しているという。

 しかし、生徒側が指摘したような発言については否定し、障害を理由とした侮辱や、障害者差別的な言動は全くしていないとしている。

 被害生徒側の主張と、学校側の聴き取り内容については、一部食い違いを見せている状態となっている。

発言そのものは不適切ではないか



 この生徒が障害を持っていたこと、また障害者差別とも受け取れる侮辱を受けたと訴えていることで、障害者差別が背景にあるかどうかという論点も、当然のことながら無視できないものではある。

 教諭の発言は、障害の有無よりも前の段階として、学校側にとって「厄介」な生徒を切り捨てると受け取れるような発言であり、生徒指導としては不適切な部分があるのではないか。

 発達障害を持つ生徒への教育・支援のあり方の問題と、生徒を切り捨てるような生徒指導のあり方と、2種類の論点が複合しているという印象を受ける。

(参考)
◎発達障害生徒に「合った学校考えたら」 発言教諭を告訴(朝日新聞 2018/4/27)
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