千葉市稲毛区の市立中学校の男性教諭(31)が2017年5月、当時担任していた1年の男子生徒に暴行を加えたとして、千葉簡裁から罰金10万円の略式命令を受けていたことがわかった。

事件の経過



 事件は2017年5月11日に発生した。担任だったこの教諭は、放課後にこの生徒が教室に残っていることに気づき、着替えて帰宅するよう促した。その際に「生徒の動作が遅かったと映り、カッとなった」として生徒に平手打ちなどの暴行を加えた。

 生徒側は事件のショックで、その後転校したという。

 生徒側は千葉県警に被害届を提出した。また民事訴訟でも係争中となっている。

 千葉区検が2017年10月、教諭を暴行罪で略式起訴し、同日に罰金の略式命令が下った。教諭はすでに罰金を納付しているという。

 千葉市教育委員会は教諭の行為を「不適切な指導」として文書訓告処分にしている。その一方で「体罰」に該当しない、懲戒処分ではなく公表基準を満たしていないから公表しなかったともしている。

適切な対応を



 この事件では、刑事事件として暴行罪の成立が認められ、罰金刑となったことは当然ではある。その一方で、これまで教師の暴力・「体罰」に対して甘い風潮が続き、同種の事件がうやむやにされ続ける事例が多数あった中で、このような略式命令が出たという意味では注目に値する。

 しかし千葉市教育委員会は、この事件を「不適切指導」という範囲でしか扱わず、暴力行為であり人権侵害行為という扱いはしていない。この認識については、改めるべきではないか。

(参考)
◎生徒に暴行で罰金10万円 千葉市の中学教諭に簡裁(千葉日報 2018/5/2)
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