東京医科大学で女子受験生や浪人生に対して不利な扱いをする不適切入試が発覚した問題に関連して、文部科学省が他の医学部医学科の入試実施状況を調査したところ、他の大学でも不適切な入試運営がおこなわれているのではないかとうかがわれる状況があったと報じられている。

入試の実態についての調査



 東京医科大学では、全受験生の素点に一律で係数をかけた上で、受験生の属性によって、現役など一部の男子受験生のみに加点・女子全員と多浪の浪人生男子には加点なしという方法で点数を補正し、補正後の点数で合否判定をおこなっていた。結果的に女子受験生や多浪生受験生の合格ラインが極端に上がることになっていた。

 この問題が発覚したことを受け、文科省が入試の実施状況に関する調査をおこなっていた。

 2018年9月の中間報告では、多くの大学で男子受験生の合格率は、女子受験生の合格率の平均約1.2倍だったなどの状況が判明した。また一浪生が一番合格率が高く、浪人を重ねるほどに合格率が下がる傾向もあった。

 もっとも、「受験生の母集団などの関係で偶然そうなっただけ」の可能性もあり、これだけでは不適切かどうかは安易には判断できない。

 しかしその後文科省が個別大学への聴き取りを詳細に進めたところ、不適切な入試運営が疑われる事例があったと報じられている。

 その「事例」の内容の詳細については、現時点の報道では示されていない。

 仮に、不適切な入試運営が他の大学でもあったとすれば、重大な問題である。

(参考)
◎他の医学部でも不適切入試の疑い 東京医大問題で国調査(朝日新聞 2018/10/12)
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