京都新聞2018年11月27日付に『「セクハラトイレ」ついに改善 京都の中学、女子から男子丸見え』が掲載されている。

 京都府亀岡市立大成中学校の男子トイレが通路から丸見えの状態になっているとして、生徒らが市に改善を訴え、市側は急遽対応策を講じることを決めたとのこと。

改善の経過



 記事によると、1983年に建設された同校校舎では、3ヶ所のトイレについて、通路から男子トイレ内の様子が丸見えになっている状態だという。男子生徒が用を足す様子が外から見え、また女子生徒は男子トイレの前を通って女子トイレに行くことになるので、男女双方の生徒から「恥ずかしい」という声が上がっていた。

 生徒代表3人が、市議会の「中学生議会」でこの問題を出して改善を訴えた。

 生徒は最初は普通に改善を訴える質問をおこなったが、市当局からは予算を理由に難色を示された。

 生徒側は、「普通に現状を訴えても財政難で却下される」と市の反応をあらかじめ予測していて、再質問を準備していた。予測通りの状況になったことで、生徒らは再質問で、「もし市役所にこんなトイレがあったら、“セクハラ”だと騒がれますよ」など、市役所のトイレとの格差を引き合いに出して訴えた。

 このことで、「中学生議会」を傍聴していた市議らが現場視察するなど動き、市教委は「年内にパーティションを設け、通路から便器が見えないようにする」と約束した。

生徒の声が市を動かした



 ことは人権にかかわることでもあり、長年にわたって放置されてきたのは驚きである。

 その一方で、生徒らの要望が市を動かして改善にこぎ着けたことは、子どもの意見表明権という意味でも、主権者教育としても、重要な意義を持つものだといえる。
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