AERA2018年12月10日号に『体操服に下着の着用禁止 「ヘンな校則」本当に子どものため?』が掲載され、ウェブサイトでも紹介されている。

https://dot.asahi.com/aera/2018120400037.html

「変な校則」の実態



 アエラが学校の校則について、アンケートを実施したところ、保護者や教員から「変な校則」の実態が多数寄せられたとしている。

 「体操着の下に下着を着けてはいけない」「学校に持参する水筒に入れるのは水だけ、麦茶も禁止」「通学用自転車の色が黒・白・シルバーと指定されている。青い自転車を持っているが、禁止と言われたのでシルバーのテープを巻いて使っている」「冬場のネックウォーマーは禁止なのにマフラーは可」など。

 高校生の子どもを持つ保護者からは、以下の声があったという。

 「娘の学校では、靴下は『高校生らしい黒か紺』と決められています。でも友人の子が通う学校は『高校生らしい白』」


 また、校則やルールによって、児童・生徒を危険にさらしている状況も告発されている。

 ある中学校は「寒くなっても衣替えの日までは夏服のままで、上着などはいっさい着用不可」だ。「氷点下の教室でもひざ掛け使用禁止」というガマン大会のような校則もあった。

 反対に、「暑くても、指定された日が来るまで水筒を持参してはいけない」や、「学校が決めた帽子がないので、暑い日も帽子をかぶってはいけない」なども。熱中症になりかねない。


ルールそのものを守らせる事自体が目的化



 ルールなどは本来、社会生活・学校生活を円滑に進めるためのものではある。

 しかし「変な校則」「ブラック校則」は、なぜそのようなルールが必要なのかということを全く検討せず、ルールを守らせることそのものが目的となっている。ルールを改善した方が合理的ではないかと思われるようなことでも、「決まりだから」という生徒管理が先にある状態になっている。

 「らしい」とか主観でどうにでもなる内容や、学校側も制定の根拠をわかっていないような校則、さらには校則によって児童生徒の安全を危険にさらす状態までまかり通ることになる。

 教員の側も多忙化や締め付けなどが原因で、個別には「おかしい」と思っている人がいても、それを疑問視して改善するよう声を上げにくいとも聞く。

 児童生徒が、また教職員も含めて、理不尽な行為に無条件に従うことを強要されるような学校・社会が、健全であるわけはない。個別の学校だけの問題ではなく保護者・地域も含めた社会全体の問題として、改善を図っていく必要があるのではないか。
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