東京医科大学は12月7日、2017年度・2018年度の入試で合格ラインに達していながら不正に不合格にされていた受験生101人のうち、入学の意向を示した49人中44人(男子15人・女子29人)の追加合格を認めた。

 その一方で、本来なら合格ラインに達していて不合格にされ、入学の意向を示した受験生5人(いずれも女子)については、改めて不合格とした。

合否の再判定



 東京医科大学では、受験生の入学試験での素点に一律0.8の係数をかけ、その上で受験生の性別や高校卒業からの年数などの属性によって加点の割合を変える手法により、補正後の点数で合否判定実施していた。

 現役生の男子受験生が加点される一方、女子受験生全員・多浪の男子受験生・高校卒業程度認定試験合格者や海外の学校出身者などには加点措置はないなどの得点操作がおこなわれた。その結果得点の逆転現象が起き、素点では合格者の点数を上回っていても不合格にされた例が相次いだ。

 2017年度・2018年度の入試について、通常の方法で合否判定をやり直した結果、あわせて101人が合格ラインに達していたにもかかわらず不合格になったと判定された。

 大学側は受験生に対して入学の意向を聴いたところ、49人が入学を希望した。

 一方で大学側は、一般入試、センター試験利用入試、推薦入試の各入試区分ごとに、本来の定員から「再判定でも合格ラインに達していた在校生数」を引いた人数を追加合格者の上限に設定していた。

 2018年度一般入試での合格枠は24人に設定していたが、同区分では29人が入学を希望したことにより、枠からあふれた5人については改めて不合格とした。3つの区分を合計した全体では69人を上限としていたものの、改めて不合格となった5人については別の枠での振り替えなどはおこなわないとしている。

 追加合格を認めたこと自体は、遅きに失したとはいえども当然ではある。しかし改めて不合格にされた5人に対して、本人には非がないのに追い打ちをかけるようなことをしたのは、どうなのか。希望者は全員合格させるべきではないか。
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