東京都世田谷区立小学校4年だった2009年、授業中の教室で同級生が投げた分度器が目にあたって視力低下などの後遺症を負ったとして、被害にあった男子児童が世田谷区などに約3400万円の損害賠償を求めた民事訴訟で、東京地裁は12月11日、原告側の訴えを認め、約2900万円の損害賠償を命じる判決を出した。

事故の概要



 事故は2009年12月に発生した。担任教諭は教室で授業中、児童らに対して作文などの課題に取り組むよう指示していた。しかし2人の児童が立ち上がって歩き回るなどし、この児童が投げた分度器が男子児童の左目を直撃した。

 この影響で、男子児童は角膜損傷などのケガを負い、事故前には1.2だった視力が事故後には0.03に低下した。

 判決では、担任教諭が立ち歩いている児童の近くに行って注意しなかったことや、教卓からの口頭注意にとどめていたこと、全員が着席するよう指導しなかったことなどをあげ、注意の方法が不十分だったことを過失だと判断した。また分度器を投げた児童の保護者の責任についても認定した。

 授業中に児童が立ち歩き、ものを投げて遊ぶという状況で事故が発生したということになる。その際の担任教諭の対応について、不適切で過失があったと認定されたことは、重く受け止める必要があるのではないかといえる。

(参考)
◎授業中事故で世田谷区などに賠償命令 投げた分度器で視力低下(毎日新聞 2018/12/11)
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