福井県池田町立池田中学校2年だった男子生徒が2017年に自殺し、背後に教諭の不適切指導があったとされる問題で、福井地検は2月27日、業務上過失致死容疑で刑事告発されていた当時の教職員3人について、いずれも不起訴処分にした。

 不起訴処分となったのは、担任だった男性教諭、副担任だった女性講師、校長(いずれも当時)の3人。市民団体が2017年、3人について告発状を提出していた。

 この問題では、担任教諭や副担任講師が当該生徒に対して、怒鳴りつけるなどの強い指導をおこなっていたことが指摘されている。同僚教員が見かねて「指導方法を考えた方がいい」と当該教諭に指摘したほどだったという。

 この事件は、教諭らの指導によって生徒を自殺に追い込んだ「指導死」案件の疑いがあると指摘されている。

 刑事事件として立件の対象となるかどうかは微妙な案件かもしれない。しかし少なくとも、生徒指導という意味では、指摘された教員らの指導は明らかに不適切だといえるのではないか。事件の教訓を今後の生徒指導に活かしていくことが必要だといえる。
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