学校現場での「日の丸・君が代」強制について、国際労働機関(ILO)が2019年3月までに、是正を求める勧告を出したことが判明した。4月中にも日本政府に通知される見通しだという。

 独立系教職員組合「アイム89東京教育労働者組合」が申立をおこなっていた。

 勧告によると、卒業式などの式典の規則については「教員団体との対話の機会を設ける」「参加したくない教員の自由を認める」ことなどを求めている。また不服従行為への懲罰を避ける目的で、教員団体との対話の機会を設けることも求めている。

 これは、入学式・卒業式などでの「日の丸・君が代」の強制と、それに従わない教員への懲戒・罰則・不利益措置が、不適切な行為だと指摘されたということになる。

 国旗国歌法をめぐる政府見解では、「強制しないことが望ましい」などとしてきた。その一方で学習指導要領の規定などを根拠に、各地の教育委員会では強制をおこない、不起立や不斉唱の教職員には懲戒処分などの不利益措置を与えてきた。東京都や大阪府・大阪市など、激しい強制がおこなわれてきた地域も出た。

今回のILO勧告は、そういう状況は世界的に見て好ましくない状態だとされたことになる。政府としても各地の教育委員会としても、できるだけ早く、対応を改めていくべきではないか。
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