埼玉県川口市立芝中央小学校でクルド人の女子児童がいじめを受け、学校や教育委員会も学校ぐるみの隠蔽・加勢と受け取れる対応をおこなったと、インターネットメディアで指摘された問題。

http://kyoukublog.wp.xdomain.jp/post-18919/

 この問題について、続報的な内容が毎日新聞2019年4月23日『埼玉・川口の小学校でクルド人いじめ深刻 支援者「特別視せず平等に対応を」』で取り上げられている。

 記事によると、2018年度に当該校でいじめ被害を受けた当時6年生だった女子児童は、学区外の中学校に進学したという。また、この児童が座っていた椅子を引きずり倒して蹴りつけるなどした加害者側とは、最終的な和解には至っていない。

 また日本にはクルド人が2000人ほど居住し、そのうちの大半が川口市に居住しているという。小中学生以下の児童生徒も300人前後いるとされているが、被害に遭った児童のほかにもいじめ被害を訴える児童もいるとされている。

 毎日新聞によると、以下の内容が指摘されている。

 同じ小学校に通う6年生のクルドの男子児童(11)は毎日新聞の取材に「自分は2年生の時からずっといじめを受けている。(偶然を装い)後ろから蹴られたこともあり、学校に行きたくないと思う時がある」と話した。3年生の女子児童(8)も「悪口を言われて悲しい気持ちになった。いじめのない学校にしてほしい」と訴える。

埼玉・川口の小学校でクルド人いじめ深刻 支援者「特別視せず平等に対応を」(毎日新聞2019年4月23日) https://mainichi.jp/articles/20190423/k00/00m/040/033000c


 支援者らは「日本語が分からないと意思疎通ができず、いじめにつながりやすい。集団生活に慣れていないなど文化や習慣の違いから誤解や偏見が生まれることもある」などとして、特別視することなく平等に対応してほしいと訴えている。

 問題になったいじめ案件では、人種差別・民族差別とも受け取れる内容もあったと指摘されている。国際理解や多文化理解などの取り組みなど、多面的な取り組みが必要となってくることはいうまでもない。

 また、人種・民族だけではなく出身地・性別・障害の有無・家庭環境などあらゆる属性についても当てはまるが、特定の属性を持つ児童生徒を特別視して扱うことでも、逆にいじめや差別を誘発することにつながる。特定の属性だからといって見下して低く扱ったり、逆に特権階級扱いや腫れ物に扱うような対応ではなく、すべての児童生徒を平等に扱う必要がある。

 事件のあった当該校での対応は、人種差別・民族差別に加勢しているという側面もあるが、いじめを見て見ぬふりをした・加害者をかばって被害者が「でっちあげでのおかしな訴えをした」扱いで泣き寝入りさせようとしたという問題もある。これは被害者の属性以前の論点として、学校としてはあってはならないことであり、重大な問題である。
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