2019年度のゴールデンウィークは4月27日から5月6日までの10連休となる。それに関連して、学校での部活動過熱化の問題も指摘されている。

 上毛新聞2019年4月23日『10連休 部活が休めない! 練習が7日間/期間中に大会 群馬県教委の総量規制 徹底されず』によると、群馬県内の中学校で、連日にわたって一日中部活動の練習をさせたり、運動部の大会が組まれるケースがあると指摘されている。これは、部活動負担の軽減を求めた国のガイドラインや、それを受けて部活動の総量規制を求めた県のガイドラインに反しているということになる。

 上毛新聞で指摘されている内容では、「10連休中7日が一日中練習予定。休日の部活動は3時間以内とする県のガイドラインにも反する」(吹奏楽部・保護者)、「中学校体育連盟(中体連)の春季大会が予定されていて、実施日と予備日で計4日間が潰れる見通し」(野球部・顧問教員)などといったものがある。

 顧問教員にとっても、休養日を設定したいという意向があっても、一部保護者から「休みすぎ」「やる気がない」などと意見があがるなどして設定に苦労しているという。

 これらの傾向は群馬県特有のものではなく、全国的にも似たような傾向が出ていると推測される。

 部活動の過密化・長時間化については、家庭側にとっても休日をつぶして家庭で過ごす時間をなくしたり、生徒の学業の時間を取れなくさせたりなどの弊害がある。また指導する顧問教員の側にとっても、休日出勤を強いられることになったり、授業研究や担任業務・その他の校務に充てる時間を部活動に割くことになって長時間過密労働の温床となったりするものである。

 ガイドラインが設定されたとはいえども、群馬県での事例で考えると、ガイドラインは有名無実化されているようにも見受けられる。ガイドラインを作ったからそれでよしというわけではなく、ガイドラインにもっと実効性を持たせるような方向性が必要だといえる。

 ガイドラインを実行あるものにすることによって、教員の働き方改革、生徒が学業や家庭生活に支障が出ないようにすることが必要である。また、「部活動こそが生活のすべて」的な一部の保護者・顧問教諭などの意識改善につなげるためにも、実行圧ガイドラインでの対応が必要ではないか。
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