産経新聞2019年4月29日付に『新キャンパス間に合わず…大阪市立大と大阪府立大の統合』が掲載されている。

 大阪府・大阪市では、維新政治による「二重行政」とする言いがかりによって、大阪府立と大阪市立の類似施設についてやり玉に挙がり、各分野で府立施設と市立施設の統廃合構想が進められている。

 公立大学分野でも統廃合のやり玉に挙がり、大阪府立大学と大阪市立大学の統合構想が、政治主導で打ち出されてきた。

記事で指摘されている内容



 両大学を運営する公立大学法人は、2019年4月に統合されている。今後は大学についても統合を目指し、今後詳細を詰めたのち、文部科学省への認可申請、大阪府・大阪市の両議会での関連議案可決・成立を経て、2022年4月に統合新大学を発足させたいとする構想になっている。

 統合新大学では、キャンパスを大阪市の森之宮(東成区)に置きたいとしている。現在地下鉄車庫などとして使われている用地を整備し、大学キャンパスにする構想を示している。しかし新キャンパスは開学には間に合わない可能性が高い見通しとなっている。

 さらに新キャンパスの建設費用についても問題が指摘された。現行キャンパスの敷地を売却して新キャンパス建設に充てるのではないかとも指摘されている。

強引な統廃合で問題噴出



 学生や大学関係者は置き去りで、「維新の政治的都合」だけで強引に引っかき回したことが、このような混乱を生んでいることになる。

 大阪全体の発展というのなら、大阪が育んできた知の集積を強引に1ヶ所にまとめるよりも、自主的な学問研究をおこなえる態勢を作ることこそが求められている。

 維新の「再開発」「乱開発」一辺倒の姿勢により、大阪が育んできた知の集積や文化の集積を強引に壊すことにもなりかねない。

 新キャンパス建設の財源という意味でも不安視され、研究予算や学生の学費などについても悪影響が出ることも懸念される。また現キャンパスを売却して大型住宅開発や大型施設などに転用するのではないかという懸念からも、地域の街づくりにも悪影響を及ぼしかねない。
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