茨城県高萩市立中学校の生徒が4月30日に自殺した問題で、高萩市教育委員会は5月6日に記者会見し、この時点で把握している内容について公表した。

 自殺した生徒は、3年生の女子生徒だという。この生徒は「所属していた卓球部で、顧問教諭から暴言を受けていた」と訴えるメモを残していた。

 生徒の自殺の原因については、教育委員会は「引き続き調査中」としている。

 その一方で教育委員会は、顧問教諭が卓球部の指導の際、部員全体に対して「いいかげんにしろ」「ばか野郎」「殴るぞ」「殺すぞ」などの暴言を繰り返していたことを確認した。

 さらに卓球部に関連して、当該顧問教諭による「部員の肩を小突く」などの暴力行為や、部員の目の前で道具を投げつけるなどの威圧的行為があったとする匿名の告発が2019年3月に教育委員会に寄せられ、調査中だったとしている。

 また学校側が2018年9月に実施したアンケートでは、この生徒は「部活動がつまらない」と訴えていたともされる。

教師の暴力的行為で自殺に追い込んだ?



 教育委員会が把握している範囲だけでも、顧問教諭による「不適切な指導」、というよりいじめ・虐待まがいの行為によって、生徒を自殺に追い込んだ可能性が高いということになる。

 部活動での異常な「指導」が引き金になった「指導死」に相当すると思われる案件でもあり、事実関係を引き続き調査の上で、適切な対応が取られるべきである。

(参考)
◎中3女子生徒自殺、部活顧問の暴言原因か(共同通信 2019/5/6)
◎茨城・高萩市で市立中学生自殺、「殺すぞ」部活動顧問が不適切指導(TBSニュース 2019/5/6)
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