群馬県立前橋商業高校のサッカー部で、外部コーチが部員らをゴールの前に立たせ、至近距離からシュートを蹴り込むなど、暴力的な指導をおこなっていたことがわかった。

 事件は5月11日に発生した。対戦形式の練習中に、守備側の部員が相手のシュートをよけたとして、コーチはそのことをとがめた。練習として、部員を一人ずつゴールの前に立たせ、「ボールを体で止めさせるため」として約2~3メートルの距離からシュートを強く蹴り込んだ。

 その際、顔面にボールが当たり、鼻血を出した部員もいたという。

 保護者が事実関係を知り、不適切な指導ではないかとして学校に連絡した。学校側は、当該コーチを5月18日から当面の間指導から外す措置をとり、いわゆる「体罰」や不適切な指導にあたる可能性があるとして事実関係を調査している。

 同校のサッカー部は全国サッカー選手権に計11回出場し、また2016年の県高校総体では優勝した、全国区の実力を持つ学校とされている。

 いわゆる強豪校の部活動で、暴力をともなう指導が常態化していたという事例である。あちこちでそのような事例は発覚しているが、また同様の問題が発覚したことになる。

 個別の事件について事実関係を精査し再発防止策を図るとともに、この学校に限らず強豪校とされるところで暴力が横行しているという全体的な風潮についても断ち切らなければならない。
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