2009年8月に発生した大分県立竹田高校剣道部での部員熱射病死亡事件で、死亡した生徒の遺族が、業務上過失致死容疑で書類送検された顧問教諭と副顧問教諭が大分地検で不起訴処分となったことを不服として、5月30日までに、再捜査を求めて最高検に2度目の不服申立をおこなった。

 この事件では、事件発生当時、体調不良の症状を示していた当該生徒に対して、顧問らは練習を続けさせた上で「気合いが入っていない」などとして暴力を振るうなどしていたことや、倒れた生徒をしばらく放置していたことが明らかになっている。

 しかし刑事処分としては、不起訴処分となっている。遺族側は再捜査を求めたものの、一度却下され、2度目の不服申立となる。事件から10年目にあたる2019年8月に公訴時効を迎えるため、今回が最後の申し立てとなる見通しとなった。

 この事件は、偶発的な事故とは思えない内容となっている。顧問の故意によって引き起こされたものであるとしか考えられない。悪質な「体罰」致死事件といってもよいものであり、また虐待事件であるといってよい。

 今回が最後の申し立てになるとみられるが、再捜査の上でしかるべき対応がなされることが望まれる。
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