青森県むつ市立田名部中学校で、2年生の保健体育科の授業の「走り高跳び」で、複数の生徒が相次いで骨折などのケガをしていたことがわかった。安全マットの厚さが足りなかったのではないかと指摘されている。

事故の経過



 河北新報2019年6月25日『恐怖の高跳び マット5センチ 中学の授業で骨折者 青森・むつ』によると、事故の経過は以下のような状況だという。

 事故は2019年6月、2年の保健体育科の授業で発生した。授業では走り高跳びを実施し、「はさみ跳び」の練習をしていた。

 6月18日には男子生徒が着地の際に転倒し、右手首骨折のケガを負った。6月21日には別の男子生徒が着地の際に転倒し、左手首骨折のケガを負った。ほかにもバーを跳んだ際に着地に失敗し、打撲や足の筋を痛めるなどした生徒が続出した。

 着地地点には通常の高跳び用の厚いソフトマットではなく、前転などの際に使用する厚さ約5センチの薄いマットを敷いていたという。

 最初の事故発生後、保護者からはマットの薄さを指摘する声も上がった。しかし担当教員はその後も、薄いマットによる指導をおこなっていた。

 青森県教育委員会によると、走り高跳びの指導で使用するマットについては、「はさみ跳びの場合は薄いマットを使用することもある」「高くなれば厚めのソフトマットを使うのが一般的だが、跳ぶ力に個人差などがあるので一律に基準を決めていない」としている。

安全対策は慎重に



 指導する側も、これまでは事故が起きていなかったからと安心していたのかもしれない。しかしその一方で、骨折を含めた事故が続発した結果は、重く受け止める必要がある。

 マットの薄さが事故続発につながった可能性も捨てきれない。事故の詳細を分析した上で、より手厚い安全対策が取られるような方向性での改善が強く求められている。
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