大阪府吹田市立小学校で2018年度、当時6年の男子児童がいじめを受けて卒業まで不登校になる事案があった。この事案に関連して、学校側が実施したいじめ調査で、この児童の名前を挙げ、当該児童が長く休んでいることは「(中学受験の)受験勉強のためだと聞いたか」「さぼりだと聞いたか」と誘導するような設問を設定していたことが報じられている。

 朝日新聞2019年8月8日『いじめ調査設問、まるで誘導 「さぼりだと聞いたか」』によると、事件の経過は概略、以下のようになっている様子。

https://www.asahi.com/articles/ASM855SXMM85PPTB00K.html

 当該児童は2018年5月頃から仲間はずれにされるなどし、2018年10月から登校できなくなった。吹田市教育委員会は2018年11月に「重大事態」と判断し、保護者も第三者委員会による調査を求めた。

 しかし調査は学校が主体となっておこなうことになり、7つの設問からなるアンケートを実施した。その中で上記のような誘導する設問があったとのこと。児童は精神的苦痛から、卒業まで登校できない状態となった。

 当該校と市教委は、配慮に欠けていたことを認めて児童側に謝罪したという。

 アンケート内容の現物も朝日新聞の記事に掲載されているが、あまりにも配慮に欠けたものだといわざるをえない。配慮がないどころか、いじめを曖昧にして、受験勉強やサボりなど児童側に非をなすりつけるような内容だとも受け取れる。

 吹田市では、別の小学校女子児童へのいじめ対応に問題があったことが、2019年6月に指摘されたばかりである。

http://kyoukublog.wp.xdomain.jp/post-19229/

 短期間にいじめ不適切対応が相次いで指摘されたことになる。いじめへの対応について、ていねいな手法をとらなければならない。
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