千葉県流山市立小学校と中学校に通っていた男子生徒がいじめを受け、市教委が長期間放置していた問題に関連して、いじめ被害を訴える保護者に対して、生徒が在籍していた中学校の校長が「いじめはない」「転校先を紹介する」などと発言していたと指摘された。

 いじめは少なくとも、小学校6年だった2014年から始まっていた。中学校進学後もいじめは続いたという。

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 中学校2年だった2016年、保護者がいじめ被害を訴えた際、校長は「ないものはない、いじめは一切ない」「不服があるなら別の中学校を紹介する」などと発言したと指摘されている。

 流山市教育委員会は校長発言について、事実だと認めた上で、「選択肢の一つとして転校し、生活をやり直す方法もあるという意味」だと説明した。

 しかし文脈から考えると、「選択肢の一つ」という意味には受け取れない。

 いじめについては、被害者側が安心して学校に通える態勢を整えることがまず第一になっている。被害者側の希望によって最終的に転校の選択肢を選ぶというのは、個別の話から離れた一般的な観点からはそういう選択肢もありうることは排除できない。

 しかし今回の個別のケースの場合は、被害者側が安心して学校に通えることを希望しているのに、学校側がその条件を整える手立てをとらないまま「いじめを認めない。対応しない」という一方的な意図で厄介払いしようとしたとも受け止められる。このような対応が、いじめに取り組む対応としては適切だとは思えない。

(参考)
◎いじめ訴えに校長が「一切ない 不服なら他校へ」(テレビ朝日 2019/10/24)
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