滋賀県草津市の滋賀県立玉川高校で、2017年度に入学した男子生徒がいじめを受けて退学に追い込まれた。滋賀県教育委員会は2019年になり、当該案件をいじめ重大事案と認定し、第三者委員会を設置して調査していることがわかった。

 中日新聞2019年11月20日付『元玉川高生、2年前に不登校→退学 いじめ疑い、対応遅れ』が報じている。

 記事によると、2017年に同校に入学した男子生徒は、学級で「ヤンキー扱いされて集団で避けられる」などのいじめを受けたという。また所属した空手部でも、部員から通学用自転車のサドルにいたずらされたり、自転車のかごにゴミを入れられたりなどのいじめを受けた。また「LINE」でのネットいじめもあったとも指摘されている。

 当該生徒は担任教員に被害を訴えたものの、担任は「自分でなんとかしてください」と言い放ち、対応しなかったと訴えている。

 生徒は不登校状態となり、2017年11月に退学を余儀なくされた。その後「不安障害」と診断され、自宅療養状態を余儀なくされている。他校への転校などを模索したが、いじめのトラウマが蘇って体調が悪化したことで、予定していた専門学校のオープンキャンパスへの参加を急きょ取りやめるなどの状態になっているという。

 生徒の保護者が滋賀県教委に連絡し、県教委による学校への調査を経て、約1年半後の2019年7月になっていじめ重大事態に認定したという。

 一方で、いじめ防止対策推進法の趣旨からは、不登校事案が発生した2017年時点で重大事態に認定すべきだったのではないかという指摘もされている。

 「いじめ被害の訴えを受けながら、担任が『自分で対応しろ』と取り合わなかった」とするこの訴え通りだと、一番してはいけない対応であり、間接的にはいじめに加勢しているようなものだと批判されてもおかしくない行為である。そして不登校になっても重大事態に認定せず、そのまま退学に追い込んだというのも、学校側の対応のまずさを示している。

 学校側の対応は、おかしいといえる。第三者委員会できちんと調査し、必要な対応をとるべきではないか。
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