政令指定都市での保育所待機児童に占める障がい児・医療的ケアが必要な児童の割合を毎日新聞が調査したところ、大阪市での比率が9割となり、20政令指定都市で突出していたことが明らかになった。

 大阪市では2019年11月26日の市の会議で、2019年4月時点での待機児童数に占める障がい児や医療的ケア児の比率が9割を超えていることが明らかにされている。

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 一方で他の政令指定都市での割合は、大阪市とは大きな開きがある。

 全国的にも保育士や看護師の人員不足が指摘されているが、大阪市ではそれに加えて、維新政治のもとですすめられた特有の事情があり、困難に拍車がかかっている。

 維新は「民間でできることは民間で」名目でネオリベ・新自由主義的なことを保育分野にも持ち込み、公立保育所の民営化・民間委託や統廃合を進めている。その代わりに、私立の小規模保育所の参入を容易にしている。

 障がい児・医療ケア児の保育については、人員体制が取りやすい公立保育所が主に担ってきた経過もある。公立保育所が減らされることで、より手厚い支援を必要とする児童に目が届かなくなっている現状となっている。

 大阪市では私立保育園で障がい児・要ケア児童を受け入れた場合は補助金交付の制度もあるが、私立では十分な体制が取れない状態が続いている。森友学園問題では、障がい児受け入れにかかる保育所および幼稚園への補助金が「補助金水増し請求」の手段のひとつとして使われる不正もあった。

 大阪市特有の事情が困難に拍車をかけていることは、その原因を取り除くことでしか困難解決手段には結びつかないということにもなる。
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