聖マリアンナ医科大学(川崎市)は2020年1月17日、同大学の入試で女子と浪人回数の多い受験生を差別していたとする第三者委員会調査報告書を公表した。

文部科学省は2018年12月、「文科省の調査では不適切入試をおこなった可能性が高いと判断した。しかし、大学側が否定し反論を申し立てている」として、第三者委員会設置を求めていた。

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2015年度~18年度の入試結果を分析したところ、志願票と調査書の評価で、女子受験生と浪人回数の多い受験生が一律に低く扱われていた。

2016年度の入試合否判定資料に「男性調整点」の枠があり、男子受験生に加点がおこなわれていたという。また「現浪区分」と書かれた枠の「調整点」では、現役生と2浪までの受験生に一律に加点していたことも見つかった。

第三者委員会は採点者らに対し、性別や浪人回数の属性を黒塗りにして改めて模擬採点させた。すると、入試本番の採点結果と大きく異なる結果が出た。

これらのことを踏まえて、「差別的扱いがあった」と結論づけた。

大学側は当該年度の2次試験受験者について、入学者と、2次試験に合格したが入学を辞退した受験生を除き、申し出があれば受験料を返還するとした。しかしその一方で、一律機械的な評価はしていないという姿勢を崩していないという。

性別や高校卒業からの年数の属性を理由に不利益な取り扱いをした、そのこと自体が差別である。それが「差別ではない」「一律機械的な評価をしていない」とは、理解に苦しむ。
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