兵庫県姫路市立中学校柔道部顧問だった元教諭(依願退職)が、部内でのいじめを隠蔽したなどとして停職6ヶ月の懲戒処分を受けたことを不服として兵庫県を相手取り処分の取り消しなどを求めていた訴訟で、最高裁第1小法廷は、上告審弁論を2020年3月19日に開くことを決定した。

いじめ隠蔽事件の経過


この事件は2015年に発生した。部内で上級生から下級生への暴力行為・いじめがあり、下級生が骨折などのケガをした。しかし顧問教諭はいじめを隠蔽し、ケガをして病院を受診した被害生徒と付き添った副顧問に対して「病院では暴行を受けたと話すな。階段から落ちたことにしろ」と強要した。

さらに顧問は、いじめ加害者の一人が部活動の主力選手だったことで、校長の制止を振り切って加害生徒を対外試合に出場させるなどもした。

これらの行為が問われ、顧問は2016年2月に停職6ヶ月の懲戒処分を受けた。顧問はその後依願退職し、柔道教室を開いているとされる。

当該校柔道部は、全国区の「強豪校」と見なされていた学校だった。全国から生徒を集めて私設の生徒寮に下宿させるなど、不適切な越境通学の問題も指摘された。

http://kyouiku.starfree.jp/d/post-8127/

元教諭が処分を不服として起こした訴訟では、一審では元教諭側の訴えが棄却されたものの、二審大阪地裁では2018年10月、元教諭側の訴えを認めて処分取り消しと慰謝料55万円を命じる逆転判決を出していた。

兵庫県が、二審判決を不服として最高裁に上告していた。

判決見直しか


上告審弁論が開かれるときは、二審判決を変更する場合であることが通例だとされる。二審判決が見直されるのではないかとみられているという。

どのような方向での見直しの方向性にしているのかは、報道の範囲ではまだよくわからない。

しかし少なくとも、教諭の請求を棄却した一審判決のほうが妥当で、いじめ隠蔽を認めなかった二審判決のほうがおかしいという印象を受けている。

いじめ隠蔽が認定されるような判決を願う。

(参考)
◎停職取り消し判決見直しか 兵庫・市立中のいじめ隠し(産経新聞 2020/2/12)
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