栃木県茂木町は2020年3月4日、新型コロナウイルス対策として一旦予定していた臨時休校を撤回し、春休みまで通常授業をおこなうことを決めた。

安倍首相の2月27日の要請を受け、茂木町では町立小中学校について、3月5日から休校にする方針を一度決めていた。

その一方で学校長や保護者・議員など各方面からの意見を聴いて再検討した結果、臨時休校を撤回して通常授業をする方がベターだと判断した。

町内の学童保育施設が教室よりも子どもの密度が高くなることや、家庭の負担が大きくなること、通常授業が実施されれば給食が提供できること、保育園や幼稚園が通常通り開いていることなどを総合的に判断し、学校で過ごす方が良いという判断だとした。感染防止のために自主的に登校しないと判断した児童・生徒については、事前に家庭から連絡があれば欠席にはカウントしないともしている。

町内や近隣自治体での感染者が確認されるなど、状況の変化があった場合には即日臨時休校に切り替えるとしている。

町長は政府の休校要請について、「『子どもを守る』という目的は首相と同じ。ただ、町の事情を考えると学校が通常通り授業をしたほうが良いと判断した。手法が違うということ」(朝日新聞2020年3月4日『栃木県茂木町、休校を撤回 「健康面でも学校が最適」』より)とコメントした。

新型コロナウイルスの問題は、地域によって状況に差があり、全国一律の措置よりも各学校・地域での状況に応じた判断が好ましい。茂木町では休校よりもむしろ通常授業の方が子どもの安全確保によいと判断したことは、地域の事情をしっかりと踏まえたものであり、一つの見解といえるだろう。
このエントリーをはてなブックマークに追加 編集